「外来通院での内服抗がん剤について」
現在、女性の10人に1人は乳がんになるといわれています。そんな中、治療方法も日々変化しており、残念ながら再発してしまった患者様の中には、通院で抗がん剤治療を受けている方も多くいます。一口に通院治療と言っても、内服薬、点滴など種類は様々です。
当院の外来では、内服による抗がん剤治療を受けている方も数多くいらっしゃいます。副作用には個人差があり、抗がん剤と聞くだけでも不安を感じる方も多いと思います。また、仕事をしている、小さいお子さんがいる、介護をしているなど生活スタイルも人それぞれです。再発したことで、いつもあった日常の変化を余儀なくされ、治療をしなくてはいけない、やりたくない事、嫌な事と向き合わなければなりません。そのような状況の中、一人ひとりに合わせた最善の方法を患者様と話し合いながら、副作用や精神的苦痛を最小限にとどめ、治療が継続できるよう関わらせていただきたいと考えております。
当院では、気になる事、不安な事があれば、いつでもお電話をいただくよう伝えています。辛い時や困った時、「話せてよかった」と言っていただけることも多く、私たちもその声を聞いて安心します。
こうして、いつでも医療者と話しができる事、患者様との距離が近い事が当院のいいところだと日々感じています。
看護師 下鳥希衣子
「入院中の乳がんの抗がん剤治療」
乳がんの治療には手術療法、ホルモン療法、化学療法、放射線療法等、患者様の病態に合わせた治療が必要となります。患者様により手術前に化学療法が必要な方もいますが、殆どの患者様は手術後の病理結果により治療内容が決まります。
当クリニックでの化学療法は病棟看護師が担当しています。化学療法に対する不安はとても大きいものです。特に、副作用の脱毛は患者様にとって一番の苦痛です。当クリニックでは脱毛を防ぐことはできませんが、治療後、元の髪質に早く戻れる事を目的に、独自の方法で頭部冷却を行っています。また、脱毛以外にも治療中の患者様の不安は計り知れません。不安を少しでも軽減できるよう治療中は、どんな些細なことでも電話連絡を頂くようにし、内容と対応方法についてスタッフ全員で共有できるようしています。私達は患者様にとって、いつでも手軽にコンタクトがとれる身近な存在でありたいと考えています。
看護師 池上久恵
リンパ浮腫(むくみ)について
リンパ浮腫とは、リンパ管系の損傷や、閉塞により体液が正常に流れない為に起こる浮腫のことをいいます。手術で腋窩リンパ郭清や放射線治療によってリンパの流れが悪くなった時に起こります。乳癌の治療を受けた全ての患者さんに発症するわけではありませんが、一度発症すると治りにくい例も少なくありません。軽い浮腫であれば自己管理をしながら通常通りの生活を送ることが出来ますが、重症化するとQOLにも支障をきたす事があります。発症の早い時期から治療を始め、悪化を防ぐ事が重要です。治療は、リンパドレナージ、圧迫法、スキンケア、圧迫下での運動療法があります。
浮腫を防ぐためには、日常生活の注意点があります。皮膚を傷つけず、腕を締め付けない様にし、腕に負担をかけ過ぎない様にしましょう。また、術後の肥満は浮腫のリスクを高めます。脂肪によってリンパ管を圧迫されて流れが悪くなります。バランスのとれた食事と適度な運動を心掛けましょう。
発症には、症状や体質による個人差もあります。早期に対応することで、改善がみられます。
リンパ外来は、圧迫感や緊張感なくリラックスして施術を受けられる様、対応しています。浮腫で少しでも悩んでいる患者さんのサポートに取り組んでいます。
看護師 八城亜紀子
※次回は乳がんの治療薬について掲載予定です。
当院のコロナ感染対策
-安心して受診して下さい-
札幌市でもコロナウイルスワクチンの接種が始まりましたが、道民全員にワクチンが行き届くにはまだ時間がかかると思います。
感染拡大が続く中、患者様から札幌に行くのが怖い・混雑している待合室で待つのが心配など、受診に際しての問い合わせが多くあります。患者様が安心して受診出来ますよう当院での新型コロナウイルス感染予防対策についてお知らせします。
院内共通対策として換気は定期的に窓を開けるのに加え3月からは空気清浄機を17台設置し、換気の強化を行っています。また、密にならないように椅子の間隔を空けています。受付・問診室・処置室・相談室・病棟・職員食堂にアクリル板を設置しています。自動ドア・手すり・ドアの取っ手・エレベータのボタン・自動販売機など患者様が触れる所は定期的にアルコール消毒を行っています。職員は出勤前に検温を行い体調不良時は出勤を控えています。医療用マスクとフェイスシールドを着用し飛沫感染対策・手洗いアルコール消毒による手指消毒を頻回に行っています。患者様へは受付での検温を実施、不織布マスクの着用をお願いしています。待合室混雑緩和のため予約外来や予約時間より早く来院された患者様には状況によっては退出をお願いする場合があります。
患者様へは色々ご不便をおかけすると思いますが、一日でも早くコロナウイルス感染症が終息することを願い、今後も引き続き職員一丸となって感染症対策を行って参ります。
コロナ感染対策担当・看護師 石田久江