年末年始の診療予定は以下の通りです。
12月29日(水曜日) 午前診療(午後休診)
12月30日(木曜日)から1月3日(月曜日)まで休診
1月4日(火曜日)から通常診療
※なお2022年1月から浅石理事長の外来診療日が変更になります。
浅石理事長の診療日は月曜午前と金曜日午前10時からの午前診療となります。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
講演会中止のお知らせ
本年の12月講演会は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から中止いたします。
皆様のご理解をお願いいたします。
乳がんの手術方法
乳がんの手術は、腫瘍とその周囲の正常乳腺を含めて切除する「乳房温存術」と全乳房を切除する「乳房全摘術」、皮膚を残して乳頭・乳輪と乳腺を切除する「皮膚温存乳房切除術」の後に人工乳房(インプラント)を入れる「乳房再建術(一次一期再建)」があります。
同時に、センチネルリンパ節生検や腋窩リンパ節郭清を行う場合もあり、リンパ節の切除方法は、術前の触診や画像診断で決まります。
センチネルリンパ節は日本語で「見張り役」という意味です。がん細胞が最初にたどり着くリンパ節を「がんの転移を見張るリンパ節」と見立ててつけた名称です。手術開始時に、乳輪に色素を入れて、染まったリンパ節を摘出し、がんの転移があるかどうかを調べます。
腋窩リンパ節郭清の「郭清」とはすべてを取り除くという意味で、脂肪も含めて、腋窩リンパ節を取り除く手術です。
手術はどう行われるか
手術は全身麻酔です。まず、静脈麻酔を行います。その時「眠くなります」とお声かけしますので安心してください。その後、吸入麻酔と酸素を投与しながら麻酔が維持されます。麻酔が効いた後、手術側の腕を90度に開き、安全で安楽、な体位を整えます。執刀医は切除範囲の印を書き、消毒後に清潔な布をかけ、手術の準備が整います。
手術は、皮膚を切開し、病変部を切除します。その後、切除した部分を洗浄して、リンパ液を流すための管を挿入し、皮膚を縫合します。麻酔から醒め意識が戻ってきたら麻酔科医と看護師が呼びかけますので、声が聞こえたら、うなずいて下さい。麻酔から醒めたタイミングで病室に戻ります。
手術室では、執刀医・麻酔科医・看護師がチーム一丸となり、手術を行っています。手術当日の朝に看護師が患者様の病室を訪問し、全身状態の把握と緊張や不安、心配事など患者様の状況を理解します。把握した情報を麻酔科医と共有し、手術室に患者様を受け入れた後、緊張と不安の軽減に努めます。手術翌日の術後訪問では、術中の麻酔の影響や創部の痛み・状態や体調などを観察し、看護を致します。
手術室の看護師は、外来や病棟と兼務しているため、手術時に知っている看護師の顔を見て、安心される患者様も多いです。私達は、術前・術中・術後の限られた時間を通して、患者様の思いや訴えに耳を傾け、寄り添える看護ができるよう努めております。
看護師 岩佐雅美
ホルモン療法の副作用としてのホットフラッシュ
「場所と時間を選ばず、急に汗が噴き出して一人だけ汗を拭きながら仕事をしていてはずかしい」「眠っている時も急なほてりと汗で目覚めてしまって辛い」
これはホルモン療法薬の副作用のひとつであるホットフラッシュと呼ばれる「のぼせ」「ほてり」「発汗」に伴う日常生活上のお悩みの声です。
乳がんには、エストロゲン(女性ホルモン)を栄養として増殖するものがあり、全体の6割から7割を占めています。ホルモン療法は、体内のエストロゲンの量を減らしたり、がん細胞がエストロゲンを取り込むのを邪魔したりすることで、がんの増殖を抑えます。ホットフラッシュは、更年期の症状としてよく知られていますが、血液中のエストロゲンが少なくなると、体温調節がうまくできなくなるために、このような症状が起こると考えられています。また日常生活の中で突然症状が出現するため、いつ出現するのか予測がつかないゆえの不安感も伴います。そして家族や周囲の人にはなかなか理解してもらえず、精神的な負担を抱えることもあります。ホットフラッシュは軽いものも含めると50%以上の患者さんに出現する症状です。通常、飲み始めて数か月ほどで軽快していきますが、症状が強い時や長く続く時には、日常生活上の工夫の説明、漢方の処方なども検討できます。医療者にお話し頂くと心だけでも軽くなることがあります。おひとりで抱えたりせずにぜひご相談ください。
看護師 永井都穂美